蝉
▼クレイジー・フロッグ
人差し指と同じくらいの長さの羽のアブラゼミそっくりの蝉が鳴いていた。
そいつは脚も長くて、生ゴミから出てくる茶色い渋い汁のような色の脚を6つぶらさげていた。
何よりも奇怪なのが、身体だった。その蝉のような生き物の身体は、ブルドーザーのコックピットみたいな形だった。直方体の真ん中が膨らんでいて、正面から見ると六角形。ひと昔前の自動車に付いていた黄色いフォグライトのような目が六角形のてっぺん2カ所から、カニの目のように飛び出ていた。
そいつはアブラゼミのようにジャージャージャージャーやかましく鳴きながら、かすかにギシギシとぶら下げている脚もと時折鳴らしていた。
そいつが目の前で5、6体鳴きながらぼくの前を浮かぶように飛んでいた。頭が痛くなって来たから一番小さくて、ぼくの右膝の辺りを飛んでいたやつを踏みつぶした。
「バン!」と乾いた音をたて、台所の排水口の奥にあるシミと同じ色の体液が弾けた。浮いているほかの奴らは、弾けて沁みになった仲間を、飛び出した目をぐりぐりさせながら眺めているようだった。そしてぼくが動くとやつらはまるで、ザリガニやエビのように、尻込みするような動きを空中でした。
地面の沁みや、そいつらの動きを見ていたら、なんだかもうなにもかも嫌になった。奴らに対して湧いた気持ちがなぜか、そっくりそのまま自分へと向かってきた。
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人差し指と同じくらいの長さの羽のアブラゼミそっくりの蝉が鳴いていた。
そいつは脚も長くて、生ゴミから出てくる茶色い渋い汁のような色の脚を6つぶらさげていた。
何よりも奇怪なのが、身体だった。その蝉のような生き物の身体は、ブルドーザーのコックピットみたいな形だった。直方体の真ん中が膨らんでいて、正面から見ると六角形。ひと昔前の自動車に付いていた黄色いフォグライトのような目が六角形のてっぺん2カ所から、カニの目のように飛び出ていた。
そいつはアブラゼミのようにジャージャージャージャーやかましく鳴きながら、かすかにギシギシとぶら下げている脚もと時折鳴らしていた。
そいつが目の前で5、6体鳴きながらぼくの前を浮かぶように飛んでいた。頭が痛くなって来たから一番小さくて、ぼくの右膝の辺りを飛んでいたやつを踏みつぶした。
「バン!」と乾いた音をたて、台所の排水口の奥にあるシミと同じ色の体液が弾けた。浮いているほかの奴らは、弾けて沁みになった仲間を、飛び出した目をぐりぐりさせながら眺めているようだった。そしてぼくが動くとやつらはまるで、ザリガニやエビのように、尻込みするような動きを空中でした。
地面の沁みや、そいつらの動きを見ていたら、なんだかもうなにもかも嫌になった。奴らに対して湧いた気持ちがなぜか、そっくりそのまま自分へと向かってきた。








