google-site-verification: google039a45cabac89534.html ロックのろ |2月19日

ロックのろ

音楽バカが適当に綴る雑感ブログ。

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気がついたら井戸の底に落ちていたのです。

てかてかひかる濡れたレンガの壁は限りなく黒いブルーでした。

居心地は存外よくて、ぼくは全然焦ることなく、落ち着いていました。

痺れているような視覚もいやに気持ちがよくて、眠るには惜しいけれど
浸っていたらいつまでもずっと眠ってしまいそうでした。

もったいない。もったいない。ああ心地いい。

うっとりと濡れた壁を眺めながら、永遠の瞬きの途中から、ふと壁の上の方を
見てみたいと思ってしまったのでした。
瞬きの途中にも関わらず視線を上に向けると、ブルーはすこしずつ光がまじり、
光の配分がブルーに比べて多くなるにしたがって、ぼくはそこに丸いブルーがある
ことを知りました。同時に、ぼくは『井戸の中にいるのだ』と魔法が解けるかの
ように、現実的な居場所に気づいてしまったのです。

雲が見えました。
縄のロープが見えました。
滑車が見えました。

丸い視界の中にぼくの丸い水かきが見えたことで、ぼくは手を挙げているんだと思いました。

生暖かい春の日差しがとけて暗闇に光が差し込み、限りなく黒に近いブルーの底は
しかるべき場所ではないのではないだろうか、などというまっとうで道徳的な声が
心の真ん中から聞こえます。

だけどぼくは動きません。動けないのではなく、動きたくないのです。つまり、
動くべきではないのだから、ぼくは目を落として、またうっとりと痺れた視界を
取り戻すまで、しっかりとぼんやりしてやろうと、日差しにやられた目をなんとか、
井戸の底に再び慣れさせようと、目を落としました。

春のいい加減な日差しと漠とした青空にやられたぼくの視覚は、
なかなか再び心地よい影には慣れませんでした。
慣れるまで、美しく黒く濡れた壁があるはずのところに焦点を
あわせているのですが瞬きの途中にいたぼくは、瞬きが8分がた
終わってしまい、そもそも目が明いていないのかもしれない。とか、
もう少し経てばあの心地よい痺れに再び痺れることが出来るのだ。とか、
そもそもぼくには瞼なんぞはなかったはずだ。とか、
どうやら瞬きが終わった別種の痺れの中に既にいるのだろうと
思うのでした。



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